ウィスコット・アルドリッチ症候群

 先天性の免疫不全の病気で、原発性免疫不全症候群として分類され難病に指定されています。主な症状としては、血小板減少症による出血傾向、原発性免疫不全症による易感染傾向、アトピー性皮膚炎様の湿疹が有り、悪性腫瘍を併発する事も多いです。

 X染色体の一部に異常が有り、それが遺伝によって継承されていきます(突然変異の場合も有るようです)。この遺伝子は、血小板や免疫系の蛋白の形成に重要なのだそうです。血小板は特徴として小さいものが多く存在し、不完全な蛋白で形成されているため脾臓で壊されてしまうみたいです。だったら、全部壊されても良さそうですが、なぜか年齢が高くなると減少の度合いがひどくなります(抗体の関係か?)。免疫系の蛋白については良くわかりません。遺伝の仕方は、女性の性染色体がX染色体2個、男性がX染色体1個Y染色体1個で、女の子の場合、異常なX染色体があっても正常なX染色体に隠れて(補う?)発症は基本的にしません。しかし、男の子はX染色体が1個ですから、異常なX染色体を受け継ぐと発症します。そして、ウィスコット・アルドリッチ症候群の男の子の母親が保因者となります。この母親の子供は、X染色体のうちどちら(正常・異常)を受け継ぐかによって、男子が2分の1の確率でウィスコット・アルドリッチ症候群、女子が2分の1の確率で保因者となります。

 母親 X1,X2 父親 X3,Y1 (X2が異常X染色体の場合)
 ↓
男の子 X1,Y1 X2,Y1 (ウィスコット・アルドリッチ症候群)
女の子 X1,X3 X2,X3 (保因)


 この病気の診断は、血小板を検査した時にその数が異常に少ないといこと(血小板減少症)で疑われます。しかし、同じ症状の病気が他に有り、本人の遺伝子を調べないとウィスコット・アルドリッチ症候群と確定されません。うちの子の場合、生まれた時の血小板は7万〜8万ぐらいでした。その時点で専門医の受診を勧められ、しばらくして遺伝子検査の結果確定しました。その後徐々に血小板が低下し、現在5000(正常人10万以上)未満しかないです。

 現在ウィスコット・アルドリッチ症候群を完全に治すには、造血幹細胞移植(骨髄移植・臍帯血移植)しかなく、成功する確率は年齢と共に下がってきます。脾臓を摘出して血小板の減少のみを防ぐ方法もありますが、対処療法でしかなく最も怖い免疫不全がいずれ現れる可能性は残ります。